マネジメント能力とは、決して企業経営者だけに求められる能力ではなく、自分の人生を自分でコントロールするためのものであり、自律した生き方をするか、しないかの選択で決まるものだとお話ししました。
自分の人生を管理・コントロールするためにはまず夢やビジョンを持ち、その達成までの日付とロードマップを作成すること。その中で必要な資源を管理していくこと、とりわけお金については如何に無駄なコストを産まない、無駄にしないように管理・コントロールするのが大事だということです。
自律した生き方を実現させるためには、
①夢やビジョンを持つ(目的)
②その達成までの日付とロードマップを作成する(計画)
③必要な資源の管理・コントロールをする(実行・管理)
ことだと説明しました。
このことを踏まえて、会社内において自律した仕事をするためにはどうすれば良いのでしょうか?
①会社の夢やビジョンを共有、理解する
②その達成までの計画を共有、理解する
③与えられた役割と仕事で必要な資源の管理・コントロールをし共有する
会社内で仕事をしていく上で不可欠なことは、社内や関係する人とコミュニケーションを図りながら協力していくこと、つまりチームワークです。
チームワークに不可欠なのが同じ目的・目標を持つことと、役割・責任を明確にすることです。
つまり①と②にあるようにそれらを「共有と理解」することが第一で、その上で③にあるようにそれぞれが自律した仕事をすることです。
①と②の共有と理解については会社側のマネジメントの課題であり、求職者に求められているものではありません。
ただ、就職する会社が自律した組織であるかを知ることはできますし、事前にしっかりと確認しておくべきことなのです。なぜなら、その会社の夢やビジョンあるいは事業の目的が不明確、あるいは「わかりにくい」場合は、入社後に「何のために働いているのか」がわからなくなる可能性があるからです。
個人の自律した生き方の第一歩はやはり夢やビジョンを持つことですが、それは自分の中で「何のために生きるのか」、つまり「生きがい」を持たないと「生きるエネルギー」が湧いてこないからです。それと同様に、会社で仕事をしていく上でも「やりがい」「働きがい」がないと「働くエネルギー」が湧いてきません。
ですから、自律した生き方をしていくのであれば、生活の中心となる仕事について、夢やビジョンがわかりやすく全員に共有されている会社であるのかどうか、その目的や目標を理解でき、そこに「やりがい」を感じられる仕事であるかどうかをしっかり掴んでおくべきなのです。
南洋グループでは働く人の自律を促し、結果として自律した組織になっていくための取り組みをいろいろな形で行っています。
そのうちの一つが関係者を一堂に集めて行う「勉強会」です。
この勉強会の目的は現場で働くすべての人が会社の目的と目標を共有し理解することです。さらに現場の人たちが目標達成のためにやるべきこととその目標管理のために、具体的手法である「PDCAサイクル」について実践しながら学びます。
南洋グループでは現場で働く人すべてに共有し理解してもらうことに重点を置いていますから、関係者というのは社員だけでなく協力会社や顧客も含まれます。顧客からの評価や要望を知ることで、会社が目指そうとしていることが理解できる。全国の職場にいる仲間の取り組みを知ることで、それぞれの考えや活動の目的、実現させたいことがわかる。
つまり、南洋グループでは勉強会と言っても一方的に教わるものではなく、自律した仕事を「知ること」から学び、それぞれのマネジメント能力を高めるための「場」としているのです。